mail magazine archive 天草おもしろ百景

「古語か方言か」

鬱陶しさ満載の梅雨本番!
皆様いかがお過ごしでしょうか?

今年は春先から「コロナ」の影響で、お花見もなく、お祭りもなく…。
お花見やお祭りでの寄り合いがあれば、賄いごとがあります。
その賄いごとに駆り出されることに鬱陶しさを感じないわけではありませんでしたが…。
人というのは、まぁ勝手なもので…。
お祭りや寄り合いが無いとなると寂しいものです。

天草には、たくさんの神様がおられます。
「金毘羅様」「山の神様」※1「鈴木様」「氏神様」…。教会もあります。
天草へ来て初めて地域の「山の神様」のお祭りの賄いに駆り出された時のこと。
男性陣は、地域の集会所の庭先で、鳥居に掛けるしめ縄づくりをします。
早朝から縄を綯い、しめ縄に形作っていきます。
女性陣は、神様にお供えする料理を作ります。
午前11時頃には、お重箱に詰めたお供物とお神酒としめ縄を持って山の神様の祠に行きます。
一年前のしめ縄を外し、新しく作ったしめ縄と交換し、神様にお重箱をお供えして…。
みんなで円になり、飲んで、食べて…をするのです。

「わいわい」「がやがや」「〇×▼□※≒」
わたくしには、解らない言葉が飛び交います。

そしてにぎやかな寄り合いも、そろそろ終わりで、食べ散らかったものを片付け始めている時のこと
おじさん陣の一人が、わたくしに向かって
「こくだしんしぃがおーがかむとがなかやっかいちゅうてはらきゃあていぬっどお」と言いました。

わたくしには「〇×▼◇△※≒●◎△◇??????」にしか聞こえません。

わたくしは、首をかしげたまま黙って片付けをしておりました。
わたくしのすぐ隣で片づけをしていたおばさんが
「よかもねぇこんとがわるかっさぁ」(これはわかりました)
【訳】「良いよね、来ないのが悪いのさ」
ああ…今日は来られなかった人がいるんだな…と思ったわけですが…。
そのおじさんは、まだ飲み足りなかったのかもしれません。
ただ…
おじさんが言い放った言葉は、全く解らなかったのです。
理解できたのは、数年後のことでした。

「こくだしんしぃがおーがかむとがなかやっかいちゅうてはらきゃあていぬっどお」
【簡単な訳】
「石出の氏が俺が噛むものが無いじゃないかと言って腹かいていなくなるぞ」

「石出」とは地域名です。(昔、税の取り立ての時にお米が集められていた場所だと想像します)
「氏」とは人を指す言葉です。(おんなんし→女の氏→女の人)
「噛む」とは食べることです。
「腹かく」とは怒ることです。
「いぬる」とは「いなくなる」すなわち「帰る」ということです。

【正式な訳】
「石出の人が、俺が食べるものが無いじゃないかと言って、帰ってしまうぞ」

天草の言葉「方言」を聞いていて、これまで考えたこともなかったわけですが
古語みたいなものがそのまま方言として残っている言葉もあり
「方言」にはきちんと
「理由」といいますか?「謂れ」といいますか?意味があるのだなぁと改めて思ったのでした。

天草へ移住して丸っと13年が経ちましたが、まだまだ知らないことがいっぱいありそうです。

都呂々金比羅宮

※1「鈴木様」
天草・島原の乱の後、初代官として幕府から任命され天草の復興尽力した「鈴木重成公」が祀られています。

今週も「くだらない話」にお付き合いいただきありがとうございました。
皆様が、元気に梅雨を過ごされますよう、くれぐれもご自愛ください。

7月第1週目クーポン
300円OFFクーポン
【ご利用期間】2020年7月3日(金)~2020年7月5日(日)
【クーポンコード】2020JL3001ST
※冷蔵配送商品および特価品は除外です。

「あまくさ晩柑」について「晩柑とは」をご覧ください。

「あまくさ晩柑」は天草オンラインショップでお求めいただけます。

 

PAGE TOP