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天然記念物 ハマジンチョウのお話

冬から初春にかけてひっそりと花を咲かせる植物「ハマジンチョウ」が、天草の富岡半島巴崎、通称:曲崎(まがりざき)に自生しています。
県内で唯一自生する場所が巴崎です。

「なぜこの植物が県内で唯一巴崎にしか自生していないのか?」という問いは難題なのだそうで…。
あえてその答えを予測するならば「県内に巴崎のような特別な環境が少ない」ためだと考えられます。

では、巴崎がどのように「特別な環境」なのか?
①地理地形的背景
②保全された海浜環境

富岡半島から伸びる巴崎は「砂嘴(サシ)」に分類される特徴的な地形です。
【砂嘴さし、英: sand spit)とは沿岸流により運ばれた漂砂が静水域で堆積して形成される、嘴 (くちばし) 形の地形のことである。(Wikipediaより)】
熊本県総合博物館のHPにも紹介があります。ちなみに、日本最大の砂嘴(さし)は、知床半島と根室半島の中間に位置し、オホーツク海に腕を伸ばすようにして広がる野付半島。全長約26kmの砂嘴(さし)です。

巴崎は、富岡半島に湾を造り、ハマジンチョウやハマボウをはじめとする植物に自生可能な環境を提供しています。
また、ハマジンチョウの種子は海流によって散布されるため(ハマボウ、ハマユウも同様)海岸線から潮間帯(潮が満ち引きする場所)に張り出して自生します。
このようにある程度安定した穏やかな自然海浜環境の存在がハマジンチョウの自生地として必要条件なのです。
潮の流れもまた重要です。考えられる要因の一つとして「ハマジンチョウの種子がたまたま暖流に乗って流れつき巴崎に定着した」という偶然性も答えの一つと言えます。
そして、希少種を保護するためにはその周囲の環境も保全する必要があります。
希少種が存在できる環境の維持に努力を払うことは、結果的に、より耐性のある周囲の動植物に対しても生息しやすい環境が維持されるということにつながります。

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苓北町富岡に富岡城跡があります。
その昔の江戸時代は、代官所として役目を果たしていたお城です。
今では、富岡ビジネスセンターとして環境と歴史の情報発信地として活躍しています。
以前、富岡ビジネスセンターには、九州大学大学院の研究員さんが施設専門員として駐在されていました。
その専門員さんは「富岡ビジネスセンター通信」として毎月発行される苓北町広報誌に、まさに「環境と歴史」の情報を寄稿しておられ、「ハマジンチョウ」のお話も「富岡ビジネスセンター通信」から抜粋したものです。
もっと多くの人に知ってもらいたい!と思う内容がいっぱいあり、今回は何のお話だろう?!と広報誌の「富岡ビジネスセンター通信」を毎月楽しみにしていました。

今もきっとどこかの土地で研究を深めご活躍されていることと思います。